リンゴ病のお話

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リンゴ病の話

リンゴ病

「真赤なリンゴのほっぺ」となるこの病気は、ヒトパルボウィルスB19による感染症です。約2週間の潜伏期をおいて、軽い風邪様の症状に引きつづき、顔面、とくに両頬部に平手打ちをされたような紅色の発疹が出現します。その時口のまわりは、赤くならずに白く残っているのも特徴です。その後しばらくして、両上肢また両下肢にも対称的に紅色の発疹が出現してきます。そして2~3日すると四肢の発疹は融合し、さらに中心部が退色し、特徴ある「ほどけかかったレース状」の紅色の発疹となります。顔および四肢の発疹はいずれも1週間前後でシミにならずに消褪しますが、成人の場合、発疹は非定型で躯幹にも出現し、発熱や関節痛などの全身症状を伴うことがあります。

リンゴ病は約5年ごとに流行をくりかえしています。最近では2001年~2002年に流行がみられました。季節的には冬から初夏にかけての発症が多いようです

ヒトパルボウィルスB19の感染は、重篤な貧血を引きおこすことがあります。また、妊娠20週までの妊婦が感染すると胎児水腫を来たすことが知られていますが、発疹が出現し、リンゴ病と診断がついた時には感染性がないので、登校や出勤を控える必要はないとされています。

東京都板橋区 高島平平井皮膚科