おとしよりのかゆみと皮膚の乾燥
老人のかゆみの原因の1つとして、皮膚の乾燥が指摘されています。老人性乾皮症といわれるドライスキンの状態です。
加齢とともに、汗腺や脂腺のはたらきが低下し、その結果皮膚の表面のバリアとなる皮脂膜の形成が悪くなります。そのため皮膚の表面に水分を保持する能力が低下し、乾燥してくるのです。
皮膚が乾燥してくると、わずかな外部からの刺激に対しても敏感にかゆみを感じるようになることは以前から知られていました。それは乾燥肌の場合、皮膚の極めて浅い部位まで知覚に関わる神経線維が侵入してくる事実で明らかになりました。
かゆみを強く感じることで、皮膚をかきこわし、その結果皮膚のバリアは破壊され、皮膚を通して異物が侵入されやすくなり、アレルギー反応をひきおこす原因となります。
以上のことをふまえて、当院では老人の皮膚の乾燥によるかゆみに対して次のようなことを指導しております。
1. 入浴の仕方や石鹸の使い方
2. 症状にあった保湿外用剤の使い方
3. かきこわしに対する外用療法の実際
4. かゆみ止めなどを含めた内服薬の使い方
最後に、老人のかゆみは皮膚の乾燥によるものが多いことは確かな事実ですが、その他肝障害、腎障害、糖尿病や血液疾患などに伴うかゆみもありますので注意して下さい。
東京都板橋区 高島平平井皮膚科